地震の多いわが国で、耐震性は多くの建て主様が気にされることのひとつです。
専門的になりますが、木造住宅の構造の安全性を担保するしくみについて
@建築基準法に基づくチェック方法
A福井県高耐震基準による所要耐力壁の量
B耐震等級(品確法)に基づくチェック方法
これらを解説します。
建築基準法では、耐震基準をクリアしているか確認する為に構造計算をしなくてはいけないことになっています。
ここで、2階建以下の木造住宅には特例があり(4号特例)、設計士の設計した建築物については確認審査を簡略化するので、確認申請書に添付する図書が少なくなる。
すなわち、構造計算書・壁量計算書の添付が不要となります。
4号建築物とは、下記の条件すべて満たす建物です。
木造2階建以下、延床面積500u以下
高さ13m以下、軒の高さ9m以下
ほぼ全ての木造建築が該当しますね。
但し、構造の検討(仕様規定)は必ずしなくてはいけません。
具体的には、次の3つをチェックします。
@壁量のチェック
A壁量バランスのチェック
B接合方法のチェック
原則、建築基準法では木造2階建以下の木造住宅はこの仕様規定で、構造の安全性を満たしていると判断されます。
しかし、この規定では耐震、耐風の水平力に関しての安全性をチェックするにとどまり、積雪などの鉛直荷重を見込んだ計算にはなっていない。
基準法令46条 | 最深積雪量1.5m | 最深積雪量2.0m | |||
屋根が重い | 平屋 | 15 | 34 | 40 | |
2階建(2階) | 21 | 39 | 45 | ||
2階建(1階) | 33 | 51 | 57 | ||
屋根が軽い | 平屋 | 11 | 30 | 37 | |
2階建(2階) | 15 | 35 | 41 | ||
2階建(1階) | 29 | 46 | 53 |
長期優良住宅の採用も多くなってきた当社ですがこの場合、耐震等級2以上が条件のひとつとなります。
<耐震等級とは>
極めて稀に発生する地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを等級3〜1で表示する。
<具体的には>
壁量のチェック/壁量バランスのチェック/床倍率のチェック/接合方法のチェック/横架材のチェックなどがあり両面コピーの構造計算書はこんな感じになります。
但し、等級2での所要壁量の量は、福井県高耐震基準による所要耐力壁の量(2.0m)と近似値となるため、プランニングでのチェックはほぼ変わらずとなります。